初めてブログを担当しますHassyです。皆さんどうぞよろしくお願いします。2019年9月8日、我々アクセシブルのメンバーは「サブカルチャーの聖地」と呼ばれ、日本のみならず世界からも多くのファンが集まる中野ブロードウェイを訪問しました。
サブカルチャー(略してサブカル)と言えば秋葉原も有名ですが、ここ中野では一つのビルにまとまっている点に特徴があります。一風変わった趣味に特化したお店が、レトロな雰囲気の建物に数多く並んでいて、入口を入った瞬間からディープな世界が展開します。
それではまず最寄り駅である中野駅から訪問をスタートしましょう。
中野駅
中野駅はJR中央線、総武線、東京メトロ東西線の各線が停車する、都内有数のターミナル駅ですが、残念ながら車いすでのアクセスは良くありません。ホームから改札口につながる地下通路へのエレベーターがなく、駅員さんの補助でエスカレーターを利用することになります。
ホームから地下通路へのエスカレーター
地下通路に降りる時はインターホンで駅員を呼びます。
呼び出し用インターホン
エスカレーターを一旦止めて、駅員さんの補助で地下通路におります。
地下通路から改札口(北口)を抜けると外までフラットなので、車いすも比較的通りやすい道になります。
中野駅北口前広場
駅前広場には通路に屋根がついているので、雨でも楽に移動できます。
駅前広場から中野ブロードウェイに向けては「中野サンモール」という屋根付きの商店街を抜けていきます(全長250メートル)。訪問当日は日曜日だったのですが、かなり数のお客さんが訪れていてなかなか真っすぐには歩けない状況でした。
中野サンモール
アクセシブルチーム
商店街の終点が中野ブロードウェイの入口です。
正面が中野ブロードウェイ入口
中野ブロードウェイ
ここで中野ブロードウェイの建物について説明を少し。この建物は今から53年前に商業施設と住居を合わせた複合住宅として建設されました。当初商業施設はファッションや食料などを扱う店舗が多かったのですが、1991年のバブル崩壊以降、閉店する店舗が増える一方サブカル関連の店舗が増えていき、現在の形態になりました。
建築当初の雰囲気を残す建物内部
建築50年を祝う店内ディスプレイ
今回訪問したのはその地下1階から4階までの商業施設部分です。入口に入ると、さっそくアニメのキャラクターやセル画などのディスプレイが展示されていて、入った瞬間から特殊な雰囲気につつまれます。
昭和のアニメキャラクターがお出迎え
通路はやや暗めで、50年前に建築された建物の雰囲気が伝わってきます。
各店舗にはアニメ関連のグッズやフィギュア、古い型式の鉄道模型やミニカーなど、いわゆる「おたく」趣味を大いに満喫させる商品が数多くならんでいます。
有名なアニメ関連のグッズ
高級な人形がところ狭しと飾られている
アニメキャラクターのグッズ
鉄道模型
クラシックなミニカー
ショーケースがあふれる店内
プロレスラーのマスク
カード専門店
店舗の多くは陳列スペースを大きく取っています。店舗によっては通路が狭く、車いすで入るにはギリギリのところもありますが、だいたいの店舗は車いすでも入れます。
店舗によっては通路が狭いところも。
たいがいの店舗は車いすでも入れます。
中野ブロードウェイで最も大きな店舗スペースを誇っているのは「まんだらけ」です。漫画の古本を扱う店舗として1980年に2畳の大きさがから始まったこの店は、今や各フロアにサブカルのテーマごとに専門店をいくつも展開しています。
まんだらけ本店
まんだらけの各店舗は、陳列する商品だけでなくフロアの内装や外装にテーマとするサブカルを意識した作りが見られ、来訪する人々の「おたく心」をくすぐります。
まんだらけのディスプレイ
ディスプレイの一つ一つが凝っている
路上にエイリアン
店の中身はなんでしょう
建物全体を見回すと、ほとんどの店や空きスペースにカプセルトイ(いわゆるガチャ)がおかれています。中身の種類も豊富で、サブカル・ファンの好奇心を刺激するのでしょう。
ガチャ専門店もできています
店内はサブカルチャーだけではない。
一方この建物にある時計専門店がすごいです。陳列されているブランド時計が桁違いな金額で、驚きます。
900万円のパテックフィリップが600万円に。大安売り!
中野ブロードウェイには、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションで有名なアーティスト村上隆のクリエイティブチームがプロデュースするギャラリーやカフェもあります。
村上隆のチームがプロデュースするバー・ジンガロ
建物全体は縦長で、2本の通路を挟んで各店舗が両側に展開しています。全体的にわかりやすり作りなのですが、エスカレーターが各階で違って配置されていて、やや混乱します。
館内のエスカレーター
建物中央部に多目的エレベーターが1台ありますが、車椅子だけでなく業務にも使用されていて使用頻度が高いため、かなり待たされます。
多目的エレベーター
エレベーター内部は車いすが入るとほとんど満員
多目的トイレは全館を通じて1つで、2階奥のトイレスペースにあります。
多目的トイレの入口。案内板が見つけにくいところにありやや不便です。
多目的トイレ内部。ウォッシュレットはありません。
中野ブロードウェイには海外からのお客さんも多いですが、英語・中国語での案内も心がけているようです。
入口には案内ブースがあります
館内で配布されているガイドブック
中野ブロードウェイの公式ホームページ
館内はWi-Fiも整備されていて、デジタルのタッチパネルの表示版も作られています。
館内のデジタル・タッチ案内板
外国人観光客向けに両替所もあります。
両替店
両替店では荷物も預かってくれます。
50年間で大きく変化してきた中野ブロードウェイですが、建築当初からの喫茶店やコインショップなども残っており、昭和レトロの雰囲気が新たな魅力につながる不思議な雰囲気を作っています。
昭和の映画ポスター
なつかしいコインショップ
昭和の空気ただよう喫茶絵夢
いろいろ回ってお腹がすいたら地下1階のソフトクリームショップ「デイリーチコ」に寄りましょう。名物の8色ソフトクリームはみんなで食べ分けないと溶けてしまうので気を付けて。
地下1階のデイリーチコ
デイリーチコの名物ソフトクリーム
ちなみに地下1階は食料品店やスーパーや100円均一ショップなどのお店がありますが、地下1階には駐車場があり、バリアフリーでエレベーターにもつながっています。
地下1階の様子
中野ブロードウェイは50年の時間を経て極めてユニークな建物になりました。秋葉原とは違って、一つの建物の中で集中してサブカルの雰囲気を感じられることは車いすユーザーにはとっては魅力ではないでしょうか。建築当時の作りを残しているため、エレベーターや多目的トイレなどバリアフリー対策は万全とはいえませんが、それ以上に日本のサブカルを実感できることは貴重です。1回行っただけでは全部を把握しきれないほど情報盛りだくさんな場所ですので、興味のある方は是非訪れてみてはいかがでしょうか。