こんにちは。車いすユーザーのYUKORINです。6月10日、アクセシブルのメンバーと一緒に夜のはとバスツアーへ行ってきました。
はとバス
はとバスとは、主に東京や横浜の観光地を巡るツアーバスです。半日コース、1日コース、外国人向けのコースなどあり、バスガイドさんのご案内付きで様々な観光名所を回れます。今回、私たちが選んだのは、車窓から東京の夜景を楽しみながら夜の東京スカイツリーへ行くというコースでした。バスは全て2階席なのですが、車いすユーザーは1階に乗れる新型のバスが導入されたと聞き、私も挑戦してみました。
メンバーとは東京駅丸の内南口で待ち合わせでした。そのとき、メンバーの一人が「車椅子待合所」を発見。
車椅子待合所
入ってみると、多目的トイレのある静かな待合室になっていました。
車椅子待合所の室内
車椅子待合所の多目的トイレ
メンバーが揃ったので出発です。丸の内南口にはスロープがあります。
丸の内南口のスロープ
はとバスの営業所は丸の内南口からすぐ、JPタワーという東京中央郵便局を通り越したところにあります。あっ、待合室が見えてきたわ。
はとバスの待合室
ツアーの申し込みは事前にインターネットまたは電話でします。料金は当日の支払い、あるいは事前にクレジットカードや振込による支払いとなり、ツアーによって支払い方が異なるようです。私たちは当日にこの営業所で料金を支払いました。なお、当日支払いの場合、障害者手帳を提示すれば、本人と同伴者1名までの運賃分が減額されます。そういった障害者向けのサービスが必要な方は必ず電話で申し込みをしてくださいとのことです。
はとバス営業所
これが1階席に車いすが乗れる新型のはとバス「アストロメガ」なのね。かっこいい!
アストロメガ
スタッフさんにスロープを敷いてもらって、乗りまーす。
スロープを設置
バスに乗車
車内では車いすのまま乗ることができます。こんなふうに車いすの大きさに合わせて車いすを固定できるようになっていました。
留め具のレール
留め具で前輪と後輪をしっかり固定。これなら安心です。
前輪を固定
後輪を固定
普通の路線バスでは車いすを固定してもバスがブレーキをかけたときなど車いすが動いてしまうのですが、このバスは大型車で車いすがしっかり固定されているためか、安定感があって乗り心地は良かったです。
車内の車いすスペース
走行中に車内から撮った写真には、多少のブレがあり、バスの青や緑の蛍光灯が写ってしまっています。ご了承ください。 |
車窓から最初に見えたランドマークはレインボーブリッジでした。レインボーブリッジは都心と東京臨海副都心を結ぶ橋で、夜のライトアップが美しいことで有名です。
レインボーブリッジ
お台場の観覧車だわ。きれ~い! お台場とは、上記の東京臨海副都心のことで商業施設やレジャー施設が立ち並ぶ人気のエリアです。
お台場の観覧車
そして、東京タワーのライトアップも素敵でした。東京のシンボルと言えば東京タワー。その展望台は昔ながらの観光名所ですよね。
東京タワー
東京スカイツリー
東京スカイツリーに到着です。当夜は「粋」という隅田川をモチーフにした青いライトアップが施されていました。東京スカイツリーは高さ634メートルのタワーで、電波塔としては世界第1位の高さです。タワー自体は主に地上デジタル放送の電波塔の役割をしており、東京都内を一望できる展望台は国内外から注目を集めている観光スポットです。
東京スカイツリー
1階の団体バスの駐車場には歩道があって安全です。その先に団体エントランスがありました。
団体バス駐車場
団体エントランス
この日は団体客として入場料はツアー代に組み込まれていましたが、高さ350メートルの展望デッキへの入場料は大人1人2,060円です。チケットカウンターで障害者手帳を提示すると、大人1人はその半額の1,030円になり、その同伴者1名まで半額が適用されます。また、高さ450メートルの展望回路への入場料は別途の支払いとなり、大人1人1,030円、障害者手帳の提示で本人とその同伴者1名はそれぞれ510円になります。
展望デッキへのチケット
4階の出発ゲートでは手荷物検査があり、車いすユーザーは優先的に行ってもらえました。
手荷物検査
いよいよ展望デッキへ上がります。大きなエレベーターで装飾も素敵でした。私、ドキドキしてます!
展望デッキへのエレベーター
エレベーター内
展望デッキに到着です。この日は土曜日で混んでいましたが、私が「すみませーん」と言うと、皆さんがご親切に場所を譲ってくださり、私も夜景を見ることができました。
展望デッキの人混み
夜景を観賞
東京の夜景、なんて綺麗なの・・・! これ、リアルな東京の街なのよね。まさに宝石を散りばめたみたい。
東京の夜景
多目的トイレは、展望回路のフロア445以外、スカイツリーの各階にあります。私は2か所利用してみて特に問題はありませんでしたが、ウォッシュレットなどの装置の機種や配置がトイレによって微妙に異なっていました。
多目的トイレ
展望デッキはフロア350、フロア345、フロア340と3フロアの構造になっており、車いすとベビーカー優先のエレベーターがありました。一般のエレベーターとは別に優先エレベーターがあるのは有り難いですね。
車いす優先のエレベーター
触れると景色を拡大できるタッチパネルがありました。ところが、車いすでは画面の上のほうを触ることができませんでした。東京タワーにタッチしたいのに届かないわ。
東京タワーに手が届かない
見どころのガラス床。車いすでも問題なく真下を覗けました。ちょっと怖かったけど、真下を見れる場面ってなかなかありませんよね。
ガラス床
展望デッキを一回りしたことだし、下層階に下りましょう。フロア340のお帰りロビーのエレベーター前は人だかりでしたが、車いすユーザーは優先的に乗せてもらえました。
お帰りロビーのエレベーター
帰り際に5階のショップ「THE SKYTREE SHOP」に寄りました。店内は広く、混んでいなければ車いすユーザーも悠々とお買い物できます。
ショップ
店内
行きにも通りましたが、帰り道の団体ロビー。広々としてました。画面が動くグラフィック壁画も必見です。
団体ロビー
再びバスに乗って、帰路の車窓から。帰りは銀座の歌舞伎座を通りました。歌舞伎は日本の伝統芸能の一つであり、お化粧をした着物姿の男優さんによる舞台は美しく見応えがあります。いつかここで歌舞伎を見たいわねと思っているうちにバスは銀座の街を通り過ぎ、出発地点のはとバス営業所へ戻りました。こうして今回のバスツアーは幕を引いたのでした。
歌舞伎座
夜景をバックに記念撮影
はとバスは2階席に乗ることが常識だったのが、車いすユーザーも乗れる車種が導入されたことによって私もバスツアーを楽しむことができました。はとバスツアーは1回でいくつもの観光スポットを巡れるから東京観光には最適です。もっと多くの車いすユーザーにはとバスを利用してほしいと思います。そして、私は昼間のスカイツリーには行ったことがあるのですが、そのときに夜景はどんなに綺麗かしらと思い、夜のスカイツリーへ訪れることを夢見てきました。今回そのチャンスが到来し、“夢は願っていれば叶う”そんな気持ちにさせてもらった夜でした。